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【2025年最新】Google広告のクリック率低下は仕様変更が原因か?ページ下部広告アップデートの完全対策ガイド

「最近、Google検索広告の表示回数は順調に増えているのに、なぜかクリック率(CTR)だけが下がっている…」広告運用に携わっている方で、こんな状況を感じていたら、実はGoogleの新しい仕様変更が原因かもしれません。

2025年4月21日にGoogleが発表した「ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上」というアップデート。これが、多くのアカウントで観測されている指標変動の正体です。

でも、安心してください!これは単なる「改悪」ではありません。むしろ、コンバージョンを増やせる動きで、広告主にとってはメリットだと考えられます。

この記事を読めば、以下のすべてが分かります。

  • 今回の仕様変更で、一体何が変わったのか?
  • あなたの広告アカウントで起きている「表示回数増・CTR減」の本当の理由
  • この変化を乗りこなし、広告効果を最大化するための具体的な4つの対策

表面的な数値の変動に惑わされず、変化の本質を理解し、競合に差をつける一手を打ちましょう。

【結論】このアップデートで何が変わったのか?

まず結論からお伝えします。今回のアップデートによる最も大きな変更点は、以下の通りです。

これまで原則1ページに1つしか表示されなかった自社の検索広告が、ユーザーとの関連性が高いと判断された場合、「ページ上部」と「ページ下部」の両方に表示されるようになりました。

出典:ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上

なぜGoogleはこのような変更を行ったのか? その目的は「ユーザー体験の向上」とのことです。

ユーザーがページを一番下までスクロールして情報を探したものの、求める答えが見つからず、結局またページ上部まで戻る、という行動は少なくないそうです。今回の変更は、こうしたユーザーの不便を解消し、ページの下部でも関連性の高い広告を表示することで、一貫した良質な体験を提供することを狙いとしています。

実際にGoogleが行ったテストでは、この変更によって以下のようなポジティブな結果が報告されています。

  • ページ下部の極めて関連性の高い広告の掲載率が約10%向上
  • ページ下部からのコンバージョン数が約14%増加

つまり、広告主にとっては「新たなコンバージョン獲得の場」が生まれた、と捉えることができます。

  • 変更前:ページ上部か下部、どちらか一方にしか表示されない。
  • 変更後:ページ上部と下部の両方に表示される可能性がある。

なぜ?表示回数が増えてクリック率(CTR)が下がる現象のメカニズム

今回のアップデートで最も多く報告されているのが、「表示回数は増えたのに、クリック率が下がった」という現象です。これには明確な理由が2つあります。

理由①:表示機会の純増による「表示回数」の増加

これは非常にシンプルな理由です。これまで広告が表示される場所は、主にページ上部(あるいは下部のみ)でした。今回の変更で、ページ上部に広告を掲載している広告主も「ページ下部」という新しい広告掲載枠を獲得しました。

単純に広告が表示される可能性のある場所(棚)が増えたことで、1回の検索行動で「表示回数」が2回発生していることになります。恐らくこれはビューアブルインプレッションではなく、ページがロードされたタイミングで計上されています。

理由②:平均CTRの希釈による「クリック率」の低下

こちらがクリック率低下の核心です。一般的に、検索結果ページの「下部」に表示される広告は、「上部」に表示される広告に比べてクリックされる確率(CTR)が低い傾向にあります。

今回の仕様変更で、この「CTRが低い下部広告」の表示回数がキャンペーン全体の表示回数に含まれるようになりました。その結果、全体の平均値を計算すると、下部広告の低いCTRに引っ張られる形で、キャンペーン全体の「平均クリック率」が下がって見えるのです。

「平均CTRが希釈」されたと言えます。重要なのは、これは広告のパフォーマンスが本質的に悪化したことを意味するわけではない、ということです。あくまでも、計算式の分母である表示回数の構成が変化したことによる「見かけ上」の低下です。

クリック率だけじゃない!広告運用者が知るべき5つの影響

CTRの低下はあくまでも変化の一側面に過ぎません。広告運用者は、以下の5つの影響を正しく理解し、総合的にパフォーマンスを判断する必要があります。

影響①:コンバージョン(CV)数の増加という好機

前述の通り、Googleの公式発表では、ページ下部からのコンバージョン数が14%増加したとされています。ページを隅々まで見て情報収集している、購買意欲の高いユーザーに再度アプローチできる機会が増え、全体のコンバージョン数増加につながる可能性が高くあります。

影響②:広告費用(コスト)の増加リスク

表示回数が増えることでクリック数は増加します。結果として広告費全体が上昇する可能性があります。意図しないコスト増、上限予算からのインプレッションシェアの損失を避けるため、日々のパフォーマンス監視は大事になります。

影響③:コンバージョン単価(CPA)の変動

CPAは改善・悪化のどちらにも転ぶ可能性はありますが、下部からの集客ではクリック単価は下がる可能性が高く、悩んでいる良質なユーザーということは、コンバージョン率が上がって、CPAは改善する?
また、関連性が高いって意味では改善傾向の方が強いのかもしれません。

影響④:インプレッションシェアへの影響

広告が表示される可能性のあった合計回数(インプレッションシェアの分母)の定義が変わるため、この指標も変動する可能性があります。ただし、上部のユニットへ表示されたうえで、下部へユニットへの表示機会が発生するため、予算損失やランク損失が発生するとは考えられないと思います。
上部への損失が発生したら、下部への表示機会が発生しないと想定される。これによるインプレッションシェア系の値に変動は少ないので。

影響⑤:分析の複雑化と掲載位置の重要性

これまではキャンペーン全体の数値を見ればよかったかもしれませんが、今後は「どこに表示された広告が成果に繋がったのか」をより細かく分析する必要が出てきました。掲載位置ごとのパフォーマンス評価が必須の時代になったと言えるでしょう。

【明日からできる】この変化を乗りこなす4つの具体的な対策

では、この新しい広告環境で成果を最大化するために、広告運用者は何をすべきでしょうか?今すぐ実践できる具体的なアクションプランを4つご紹介します。

対策①:最重要!「上部 vs その他」で掲載位置ごとの成果を分析する

まず取り組むべき最重要アクションです。Google広告の管理画面で「セグメント」機能から「上部 vs その他」を選択し、掲載位置ごとのパフォーマンスを比較しましょう。

特に注目すべき指標は**「コンバージョン率(CVR)」「コンバージョン単価(CPA)」**です。たとえクリック率が低くても、ページ下部で安価にコンバージョンが獲得できているなら、それは非常に価値のあるプレースメントです。全体の平均値に惑わされず、掲載位置ごとの真の価値を見極めてください。

対策②:広告の「関連性」を原点回帰で見直す

今回のアップデートの核心は「関連性の向上」です。小手先のテクニックではなく、広告運用の基本に立ち返ることが最も効果的な対策となります。以下の3つの一貫性を、改めて徹底的に見直しましょう。

  • キーワード: ユーザーがどんな意図で検索しているか
  • 広告コピー: その検索意図に的確に応えるメッセージを提示できているか
  • ランディングページ: 広告で提示したメッセージ通りの解決策や情報を提供できているか

この「キーワード」「広告」「LP」の三位一体が、新しいオークションで勝ち抜くための強力な武器となります。

対策③:広告クリエイティブを多様化する

ページ上部で広告をクリックしなかったユーザーが、ページ下部で改めて広告を見たとき、同じメッセージでは響かないかもしれません。上部では価格や手軽さを訴求し、下部では品質や詳細なスペックを訴求するなど、異なる角度からのアプローチが有効な場合があります。

レスポンシブ検索広告のアセット(見出しや説明文)を充実させ、様々なクリエイティブをテストすることで、取りこぼしていたユーザーを獲得できる可能性が高まります。

まとめ

今回は、Google検索広告の「ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上」アップデートについて、その影響と具体的な対策を解説しました。

最後に、重要なポイントをまとめます。

  • 表示回数増・CTR減は仕様変更による自然な現象。 パフォーマンス悪化と早合点しないこと。
  • この変更の本質は、ページ下部という新たな「コンバージョン獲得機会」の創出であること。
  • 成功の鍵は、「上部 vs その他」で掲載位置ごとのデータを正しく分析し、広告の「関連性」を追求するにあります。

表面的な指標に一喜一憂せず、変化の本質を捉えて戦略的に動くことで、競合に差をつけ、広告効果を最大化することができるでしょう。

まずは第一歩として、ご自身のアカウントを開き、「上部 vs その他」のセグメントで過去30日間のパフォーマンスを確認することから始めてみてください。きっと、新たな発見があるはずです。

アスタノット株式会社 代表取締役社長 兼 SEMエバンジェリストの小笠原弘充です。#Google広告主コミュニティでシルバープロダクトエキスパート取得経験あり。上級ウェブ解析士。#SEM , #ウェブマーケティング に関してMarkeZine Academyでの講師経験あり。 #GAIQ #上級ウェブ解析士 #PPC #Analytics #Tableau

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