Webサイトやアプリ内で利用される広告にはさまざまな種類がありますが、その中のひとつに「ディスプレイ広告」があります。今回の記事では、ディスプレイ広告について詳しく解説し、その特徴やリスティング広告との違いを紹介します。ディスプレイ広告を使って効果的な広告キャンペーンを展開したいと考えている方は、必見です。
目次
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ内の広告スペースに表示される画像や動画などの広告のことです。これは、ウェブページのコンテンツとは別に表示されるもので、Webページの上部や右側などに表示されることが多いです。ディスプレイ広告は、広告主が指定したターゲット層にリーチすることができ、多くの場合、クリックやコンバージョンなどの指標に基づいて費用が計算されます。
また、ディスプレイ広告には、画像広告や動画広告、テキスト広告などがあります。広告主は、自社の商品やサービスに適した広告フォーマットを選択することができるでしょう。
ディスプレイ広告の課金方法
ディスプレイ広告の課金方法には、次の3つがあります。
- CPM課金(Cost Per Mille)
- CPC課金(Cost Per Click)
- CPA課金(Cost Per Action)
CPM課金は、1,000回広告が表示された場合に課金される方法です。つまり、広告の表示回数に応じて課金されるのです。CPM課金はブランド認知度向上に効果的であり、広告主にとって比較的リスクの少ない課金方法と言えるでしょう。
CPC課金は、ユーザーが広告をクリックした場合に課金される方法です。つまり、クリック数に応じて課金されます。CPC課金は、効果的な広告クリック数を確保するために必要な場合に使用されることがあるでしょう。
CPA課金は、特定のアクション(例えば、商品の購入や資料請求など)が行われた場合に課金される方法です。つまり、広告から特定のアクションを起こしたユーザーに対して課金されます。CPA課金は、直接的な売上につながる広告に有効な課金方法と言えるでしょう。
ディスプレイ広告の費用相場
広告の表示位置やサイトのジャンル、広告枠の種類などによって、費用相場は大きく異なります。一般的には、CPM課金の場合、1,000回の表示に対して1,000円〜5,000円程度が相場です。CPC課金やCPA課金の場合は、表示回数やクリック数、アクション数に応じて金額が変動するでしょう。
ただし、広告主が望む成果によっては、費用相場よりも高額な金額を投じることが必要になる場合もあります。また、広告主が設定した予算内で効果的な広告を展開するためには、正確な効果測定が必要です。
バナー広告との違い
ディスプレイ広告とバナー広告は、基本的な形状や表示方法においては共通しています。具体的には、Webサイト上に表示される画像やテキストなどの広告で、クリックやコンバージョンを促すことが目的となるのです。つまり、バナー広告とディスプレイ広告は同じものと言えるでしょう。
ディスプレイ広告の特徴
ではここからは、ディスプレイ広告の特徴についてまとめていきましょう。
幅広い目的に対して使える
ディスプレイ広告は、テキストや画像、動画などさまざまなコンテンツを自由に組み合わせられ、クリエイティブの自由度が高く、表現力豊かな広告を作成可能であるという特徴があります。そのため、ユーザーに訴えかける方法として何が適しているかによって、さまざまな方法を使い分けることができるのです。たとえばユーザーにとにかく印象を植え付けたいという目的がある場合は、視覚と聴覚に訴えかける動画が適しているでしょう。シンプルに商材を知ってもらいたいという目的がある場合は、テキストが適しています。このように、ディスプレイ広告は、幅広い目的に対して使えるのです。
ターゲティングの種類が豊富
ディスプレイ広告のターゲティングは、大きく2種類に分けられます。まず、人へのターゲティングです。個人を年齢や性別、趣味関心などの属性で分けてターゲットとする人へピンポイントに広告を表示させます。
続いては、配信面へのターゲティングです。特定のwebサイトやアプリをターゲットとしたり、設定したキーワードに関連するサイトをターゲットとしたりなど、広告を表示する媒体を選定して広告を表示させる方法です。ディスプレイ広告は、このようにターゲティングの種類が豊富であることも特徴のひとつです。
配信媒体はGDNとYDA
GDNは「Google Display Network」の略称で、Googleが所有する多数のウェブサイトやアプリケーション上で広告を配信することができるシステムです。次いでYDA(旧YDN)は、「Yahoo! 広告 ディスプレイ広告 運用型」の略称で、名前の通りYahoo!が提供しているシステムとなっています。これらのネットワークを利用することで、企業は自社の商品やサービスを広く多くのユーザーにアピールすることができるでしょう。
・クリエイティブタイプは2種類
クリエイティブタイプには、レスポンシブタイプとバナータイプの2種類があります。
ディスプレイ広告において、レスポンシブタイプは非常に重要な役割を果たしているでしょう。レスポンシブタイプとは、画像やテキスト、レイアウトなどが自動的に最適化され、さまざまなデバイスに最適化された広告を提供するタイプの広告です。
バナータイプのディスプレイ広告は、広告の中でも最もポピュラーなタイプの一つで、画像やテキストを用いて、商品やサービスをアピールするものです。
リスティング広告の違い
ディスプレイ広告とリスティング広告は、オンライン広告の2つの主要な形式です。ディスプレイ広告は、画像や動画を使用して、製品やサービスを宣伝することができる一方、リスティング広告は、テキスト広告として、特定のキーワードに関連する検索結果の上部に表示されます。
リスティング広告は、ユーザーが特定のキーワードで検索を行う場合に表示されるため、対象のユーザーに直接アプローチすることが可能です。これにより、より高いクリック率を実現し、より効果的なマーケティングキャンペーンを実施することができるでしょう。
広告の表示場所
ディスプレイ広告の表示場所は、さまざまな場所に存在します。例えば、他のWebサイトのサイドバー、ヘッダー、記事中、またはモバイルアプリなどです。一方、リスティング広告は、主に検索エンジンの検索結果ページの上部や下部に表示されます。
ディスプレイ広告の場合、広告を表示するウェブサイトは、アドネットワークに登録されている場合があります。アドネットワークとは、広告主が広告を表示することができる複数のウェブサイトをまとめたものです。
リスティング広告の場合、GoogleやYahoo!などの検索結果ページの目立つ部分に表示されるため、より高いクリック率を実現することができます。
画像や動画が使える
リスティング広告との違いは、画像や動画が使えることにもあります。ディスプレイ広告において画像は、見た目のインパクトが非常に大きいため、商品やサービスをアピールするためには欠かせない要素です。しかし、ただ画像を載せるだけではなく、その画像がどのような印象を与えるかを考える必要があるでしょう。例えば、商品を一目で分かりやすく伝えるためには、商品の写真を使用することが効果的です。また、特別なキャンペーンやセールの情報を伝える場合には、ポップな色使いやデザインを用いることで、目立つ広告を作り出すことが可能です。
ターゲットの違い
先述したように、ディスプレイ広告は非常にターゲットの種類が豊富であるという特徴があります。一方でリスティング広告は、基本的には商材をある程度知っていたり、即購入に繋がる可能性があったりする顕在層です。リスティング広告とディスプレイ広告の違いは、ターゲットにも現れています。
ディスプレイ広告のメリット
では、ディスプレイ広告のメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ディスプレイ広告のメリットは以下の4つです。
- 潜在層に広告を配信できる
- 視覚・聴覚に訴えるアプローチができる
- リマーケティング(リターゲティング)が可能
- クリック単価が比較的安い
ここから、詳しく内容を見ていきましょう。
潜在層に広告を配信できる
ディスプレイ広告は、潜在層に広告を配信することができます。潜在層とは、何らかの悩みを持っているけれど、どのようにすればその悩みを解決することができるか分かっていないユーザーのことです。ディスプレイ広告は、リターゲティング広告や行動ターゲティング広告など、さまざまなターゲティング手法を使って、潜在層に広告を配信することができます。これによって、より効果的な広告展開が可能です。
視覚・聴覚に訴えるアプローチができる
ディスプレイ広告には、視覚的なインパクトが強いというメリットがありますが、もう一つのメリットとして、視覚・聴覚に訴えるアプローチができることが挙げられます。
ディスプレイ広告は、静止画や動画、音声など、複数の要素を使って広告を作成することができます。このため、視覚的な情報だけでなく、音声を使ってユーザーの興味を引くこともできるのです。例えば、動画広告では、商品の魅力的な映像と共に、BGMやナレーションを使って商品の魅力を訴求することができます。このようなアプローチは、ユーザーの感情を刺激し、印象に残る広告を作り出すことができるでしょう。
リマーケティング(リターゲティング)が可能
ディスプレイ広告では、リマーケティング(リターゲティング)が可能であることもメリットです。リマーケティングとは、既に自社サイトを訪れたことのあるユーザーに対して、広告を配信することです。例えば、ある商品のページを訪れたユーザーに対して、その商品に関連する広告を配信することで、購買意欲を刺激することができます。リマーケティングは、ユーザーの興味関心に合わせた効果的な広告配信ができることが特徴です。広告効果を高めるためには、リマーケティングを有効に活用することが必要不可欠です。
クリック単価が比較的安い
「クリック単価が比較的安い」というのは、ディスプレイ広告のメリットの一つであり、特に検索連動型広告(SEM)に比べてクリック単価が安く、費用対効果が高いということです。これは、広告主が出稿する広告が、表示されるページのコンテキストに合わせて自動的にターゲットされるため、ターゲットユーザーにリーチすることができるからです。
しかしデメリットもあるので広告主は自社のマーケティング戦略に合わせて、適切な広告媒体を選択する必要があります。
ディスプレイ広告のデメリット
ディスプレイ広告のデメリットとして、以下のような課題があることを知りましょう。
- サードパーティークッキーは規制が進んでいる
- クリック率とコンバージョン率が低い
- 効果測定や分析が難しい
- 広告費の消化ペースが速い
ではここから、詳しく内容を見ていきましょう。
サードパーティークッキーは規制が進んでいる
ディスプレイ広告でよく利用されるサードパーティークッキーは、ユーザーのWebサイト上の動向を追跡し、興味や嗜好を分析するために使用されます。しかし、近年のプライバシー規制の厳格化により、多くのWebブラウザがサードパーティークッキーをブロックするようになりました。その結果、企業は広告ターゲットの追跡が困難になり、広告のターゲティング精度が低下する可能性が指摘されています。
クリック率とコンバージョン率が低い
ディスプレイ広告で最も重要な目標は、広告をクリックし、コンバージョン(商品購入や問い合わせなど)に繋げることです。しかし、現代のオンライン広告市場では、クリック率とコンバージョン率が低下している傾向にあります。
一つの理由は、広告の過剰露出による広告疲れです。広告を無視するユーザーが多く、広告主はよりクリエイティブなディスプレイ広告を作成するようになっています。
効果測定や分析が難しい
ディスプレイ広告は、効果測定や分析が難しいという課題もあります。ディスプレイ広告は、広告が表示された回数やクリック数などのデータは取得できますが、そのデータからどの程度の成果が出たかを正確に測定することは難しいです。それは、ディスプレイ広告が直接的な購買行動に結びつかないことが原因にあります。
そのため、ディスプレイ広告を利用する企業は、広告の目的やターゲットに合わせて、効果測定のための指標を設定する必要があります。例えば、ブランド認知度向上を目的としている場合は、広告表示回数や表示時間、CTRなどの指標を設定することが考えられます。
また、効果測定には、データ解析や分析力が必要となります。そのため、専門知識を持った担当者が必要となることもあるでしょう。
広告費の消化ペースが速い
ディスプレイ広告は、広告表示のための費用がかかるため、広告費の消化ペースが速いことが特徴の一つです。広告費を効率的に消化するためには、広告表示のターゲットを絞り込み、的確なターゲティングが必要です。例えば、年齢層や地域、興味関心などに合わせて、広告表示の対象を絞り込むことが考えられます。その他にも、表示回数や広告表示時間などの調整を行うことで、広告費を最適化することができます。
ディスプレイ広告を効果的に配信する方法
ディスプレイ広告を効果的に配信する方法には、どのようなものがあるのでしょうか。以下にて、詳しい内容を見ていきましょう。
ターゲティング設定を適切に行う
ディスプレイ広告を効果的に配信するためには、適切なターゲティング設定が不可欠です。まず、ターゲット層を明確にすることが重要です。ターゲット層に合わせて、年齢層や地域、性別、興味関心などの複数の属性を設定することで、効果的な広告配信が可能となるでしょう。
次に、行動履歴に基づくターゲティング設定も有効です。過去のアクセス履歴や検索履歴、購入履歴などを分析し、ターゲット層の嗜好や関心に合わせた広告配信を行うことで、より効果的な広告が実現可能です。
タグを設置する
ディスプレイ広告を配信する際には、タグを設置することが重要です。タグとは、広告の配信状況や効果を計測するために、広告主が広告に付与するコードのことです。
タグの設置により、広告の配信状況や効果を詳細に把握することができます。例えば、広告が表示された回数やクリックされた回数、コンバージョン数などを把握することができ、これにより、配信状況の改善や効果測定に役立つでしょう。
ただし、タグの設置には技術的な知識が必要となる場合があります。そのため、広告主は、広告配信を行うサービス提供会社に相談し、適切なタグの設置を行うことが重要です。
最適なクリエイティブを作成する
ディスプレイ広告を効果的に配信するためには、最適なクリエイティブを作成することが不可欠です。まず、クリエイティブの制作にあたっては、広告の目的を明確にすることが重要です。例えば、商品の紹介やサービスの提供など、広告の目的に応じたクリエイティブを制作すしましょう。
次に、広告のコピーを工夫する必要があります。視覚的なデザインとともに、コピーがクリエイティブの印象を決定することもあるのです。適切なキャッチコピーを用いることで、ターゲット層の興味を引き付けられるでしょう。
また、クリエイティブのデザインにも工夫を凝らすことが大切です。色使いやレイアウト、画像の選択など、視覚的な印象を高めることで、広告のインパクトを高めることができます。
ディスプレイ広告とLPの内容の整合性を確認する
ディスプレイ広告を配信する際には、広告とLPの内容の整合性を確認することが重要です。広告をクリックしたユーザーが遷移するLPと広告の内容が一致していないと、ユーザーが離脱してしまう可能性があるため、広告とLPの内容を統一することで、ユーザーの離脱率を下げられるでしょう。
具体的には、広告のキャッチコピーや画像、コンテンツの内容をLPに反映させることが必要です。また、広告の目的に応じたコンバージョンをLPで設定することで、ユーザーの行動を促すことができます。例えば、商品の購入やサービスの申し込みなど、広告の目的に応じたコンバージョンを設定することが重要です。
他の広告施策との併用を検討する
ディスプレイ広告は、他の広告施策と併用することで、より効果的なマーケティング施策となります。例えば、検索広告やSNS広告と併用することで、ユーザーにより多くの接触機会を提供することができるでしょう。
また、リターゲティング広告やインフルエンサー広告など、異なる種類の広告施策を組み合わせることで、より効果的な施策を構築することができます。ただし、広告施策の種類や組み合わせによっては、広告費がかさむことがあるため、適切な予算配分を行うことが重要でしょう
ディスプレイ広告に関するお悩みはアスタノットへ
初めてディスプレイ広告を導入しようとする企業担当者にとっては、その仕組みや効果的な使い方が分からず、悩むことも多いかもしれません。
アスタノットでは、ディスプレイ広告に関する悩みを抱える企業担当者様のために、解決策を提供します。弊社の専門家が、ディスプレイ広告の基本的な仕組みや設定方法、効果的な配信のポイントなどを分かりやすく解説します。
まとめ
ディスプレイ広告の基本的な知識や特徴、リスティング広告との違いについて解説しました。今後ともディスプレイ広告はWebサイトやアプリ内で利用される広告は、デジタルマーケティングの一環として注目されていくことでしょう。
効果的なディスプレイ広告の展開方法やそのメリット・デメリットを理解して、ディスプレイ広告を活用していきましょう。
ディスプレイ広告について分からないことや悩みがある企業担当者様は、ぜひ一度アスタノットにご連絡ください。