web 広告は正しく運用することで成果を得られる有効な手段ですが、一方で基礎知識や押さえておくポイントを知らないまま始めてしまうと十分な成果を得られない可能性もあります。そこでこの記事では、基礎知識からweb広告のメリット・デメリットまで、詳しく解説していきます。
目次
web広告とは?
web広告とは、インターネットを通じて配信される広告のことを指します。テレビや新聞など不特定多数の視聴者や読者に情報を発信するマスメディア広告がありますが、web広告はインターネットを通じた広告であれば、すべて該当します。
年齢や性別などでターゲットの属性を絞りこみ、特定のユーザーに対して効率的に配信できる「運用型広告」、特定の媒体の広告枠に固定で掲載し詳細なターゲティングが行えない「純広告」や、検索連動型広告・Instagramなどに表示されるSNS広告・LINE広告・動画広告・ブログ形式の記事広告などさまざまな配信手法・媒体が存在します。
web広告を利用するメリット
web広告は、なんといってもコストを抑えながら費用対効果が期待できるところがメリットです。例えば広告のクリックで数十円単位と安いものもあるため、広告費は数万円ほどから広告出稿を始めることも可能です。
従来型のマスメディア広告の場合、コストが高い上に、効果測定が難しくターゲティングの精度が低いといったデメリットがありました。それに対してweb広告は、コストダウンを実現しつつ、効果測定・行動促進・ターゲティング性などが優れています。
では、ここからはweb広告のメリットを詳しくご紹介したいと思います。
ターゲットを絞って広告を配信できる
商品やサービスを届けたい場合、ターゲットではないユーザーに広告を配信していても成果にはつながりません。web広告は、届けたい商品やサービスにマッチしたターゲットユーザーを狙って配信することが可能です。そのためには、ユーザーの住まい・性別・年齢などの基本情報から、web上での行動・興味関心・検索履歴といった細かい絞り込みが重要となってきます。
絞り込んだターゲットユーザー向けに広告配信することで、リーチ率を高めることができるのです。
短期間で効果が得られる
web広告は、入稿から広告掲載まで数日程度と早く、掲載された後もwebサイト上で広告内容の変更ができるため、トライアンドエラーしやすいことが特徴です。
ターゲットユーザーに的確な広告配信するためには、ターゲットユーザーの行動などに合わせた広告内容にする必要があります。web広告は、広告内容を変更する場合に反映までが早く改善しやすい点から、短期間で効果が期待できるのがメリットといえるでしょう。
効果測定など分析がしやすい
web広告は、閲覧数やクリック数などを分析ツールで詳しく調べることができます。配信された広告すべてが効果を出せるとは限りません。目標以上の結果が出れば広告効果があったことになり広告施策を継続できますが、目標を下回る結果であった場合は、広告内容を見直す必要が出てきます。
広告を効率よく効果的に運用するためには、この効果測定による数値の分析は欠かせません。ユーザーのさまざまな行動を数値として可視化し、広告施策に活かせる点は、web広告の大きな特徴です。
少額から利用できる
web広告では、決められた予算をあらかじめ設定し、その予算内で運用を少額から始めることができます。例えば、表示回数やクリックされることによって初めて費用が発生したり、購入や契約された場合のみ費用が発生するなど、ユーザーがアクションを起こした分のみ広告費が発生する仕組みが存在します。広告費が少額な分、効果を高める工夫は必要となりますが、高額な費用をかけず利用できる点が魅力です。
広告内容を柔軟に変更できる
従来のマスメディア広告では、一度広告を出稿すると変更や停止に時間がかかってしまうことが多くありました。その反面、web広告は管理ページなどから広告内容の変更や掲載停止が簡単にできるため、柔軟に運用できる点がうれしいポイントです。
効果次第では広告内容の改善であったり、思ったよりも広告費がかかってしまった場合に掲載を取りやめるなどの対応を素早く行うことができるのは、web広告ならではの特徴となります。
広告の効果をAIが最適化してくれる
web広告は配信後の運用が重要で、配信したら終わりではありません。配信結果を元に分析や改善を継続していくことが、大きな成果を得るための近道になりますが、経験値や感覚に左右されてしまい、期待している結果が得られない可能性もあります。
その課題を解決してくれるのがAIの活用です。人の経験値や感覚ではなく、蓄積されたデータに基づいて情報を自動で分析してくれるため、クリエイティブな作業の手助けをしながら高品質な運用が可能となります。
人気の媒体に広告を出稿できる
近年SNSだけでなくさまざまなweb媒体が普及しています。そのため、web広告を掲載できる媒体は数多く存在します。
主なweb広告の媒体として、Google・Instagram・Twitter・YouTube・tiktokといった馴染みのある人気媒体や、A8.net・バリューコマースといったアフィリエイト広告媒体などがあります。これらの中から、ターゲット層のマッチング度や費用・出稿したい広告の形態を考慮して広告を出稿することができます。
web広告を利用するデメリット
ここまでメリットばかりを紹介しましたが、もちろんweb広告はデメリットもあります。web広告を検討されている方は、ぜひデメリットについてもしっかり理解した上で、それぞれのweb広告でのデメリットがカバーできるのかどうか判断してみてくださいね。
web広告に関する幅広い知識が必要
実際にweb広告で一定の成果を出そうとした場合、専門的なノウハウや経験がないと難しいといえます。出稿する媒体ごとにデータを分析し、実践と検証を繰り返すためには課題の発見や施策の選定など、相応なスキルが必要になってきます。異なるプラットフォームの使用を駆使しなくてはいけない場合もあるかもしれません。
外部委託する場合でも、必要最低限の知識は持っておく必要もありますし、自ら行う場合も知識をインプットしつつ実践する必要があります。
webマーケティングに関する知識も必要
webマーケティングとは、webを活用して商品やサービスを届けるための仕組みを作ることです。webマーケティングの手法はweb広告・SNS運用・SEO対策など多岐に渡ります。
近年では多くの企業や競合がすでにwebマーケティングを行っているため、より細かくターゲットを分析し、狙ったターゲットユーザーに効率よくリーチさせなくてはいけません。そのため、webマーケティングに関する知識は一定以上は必要となってきます。
長期的な改善施策が必要
web広告は出稿したら終わりではありません。出稿した後に、より効果的な広告活動ができるように長期的な改善施策が必要となってきます。
web広告は成功もあれば失敗もあります。失敗で立ち止まらず、web広告によって得られた数値や蓄積されたデータをもとに常に評価を行い、改善施策を考えて実行する、このトライアンドエラーの繰り返しが重要となってきます。長期的な視野をもって運用することが大切です。
商材によっては広告を出稿できない場合もある
どれだけ魅力的な広告文を考えたとしても、定められている広告ポリシーに違反した場合は広告審査で落とされる可能性があります。また商品やサービスによっては個別に基準が設けられているものもあり、広告審査以前に事前審査が必要になることも。
さらに、薬機法や景品表示法など法律に関する表記もweb広告を始める上では注意しておかなければなりません。違反すると広告が停止される場合がありますので、広告の掲載基準については調べておきましょう。
費用が高額になる場合もある
web広告のメリットとして比較的低コストで始めやすいと述べましたが、競合が多い商品やサービスによっては想定よりも広告費が高額になってしまう恐れもあります。
例えば、あるキーワードを設定した場合に、そのキーワードでのクリック1回あたりの広告費=クリック単価となるため、競合が多いキーワードほど高額になってしまいます。
単価を抑えるためには、費用対効果の高いキーワードを選定したり、広告の品質を挙げる施策が必要です。
各種web広告のメリットとデメリット
web広告を正しく運用する上で、web広告の選び方を抑えておく必要があります。ターゲットユーザーに適した広告でない場合、逆効果になる恐れもあります。
まずは「ターゲットが利用している媒体を選ぶこと」「出稿する目的から選ぶこと」を参考にしてみてください。そして、それぞれの広告媒体には特徴やメリット・デメリットが異なりますので、ポイントを抑えた上で利用する広告媒体を選びましょう。
では、次に各種web広告のメリットとデメリットについてご紹介いたします。
リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索ワードによって表示される広告です。検索エンジンを利用するユーザーは、顕在的な悩みや課題を抱えている場合があります。よって、検索キーワードは直接購入につながる可能性が高いと考えられます。ただし、競合も多いことから専門的な知識や工夫が必要となってきます。
クリックによる課金形式なので、費用相場は検索キーワードによって費用が大きく異なります。
ディスプレイ広告
webサイト上に設けられた広告枠に掲載できる広告です。テキスト以外にも画像や動画なども出稿できるため、視覚的にアピールでき認知拡大に向いています。広告をクリックすることで、指定されたリンク先のwebサイトへ誘導できます。
ただし、webサイトへの誘導後の離脱が多いため購買にはつながりにくい傾向があります。
クリック課金形式や表示回数に応じて課金される形式などがあります。
リターゲティング広告
webサイトなどに訪れたユーザーを追跡し、別のweb上で指定した広告を表示する手法です。ECサイトに効果的で、購入漏れやリピート購入などに貢献します。ただし、昨今の個人情報保護の観点により、リターゲティング広告の出稿が難しくなっています。
クリックによる課金形式で、指定するキーワードによって相場が変動します。
アフィリエイト広告
成果報酬型の広告で、アフィリエイターと呼ばれる発信者が自身のSNSやブログ、webサイトなどに商品の広告リンクを貼り付け配信します。リンクから、商品購入やサービスの利用があれば、費用が発生する流れです。
優秀なアフィリエイターであれば広告効果は高い反面、アフィリエイターに魅力を感じてもらえなければ広告を取り扱ってもらえないケースもあります。
広告運用媒体(ASP)の登録が必要なため、他のweb広告よりも費用相場は高めです。
ネイティブ広告
webサイトやメディアサイトに掲載される広告です。サイト内のコンテンツに同化して見えるように表示されるのが特徴で、広告であることに気づかれず自然な流れで誘導できるため、クリック率を高める効果に期待できます。ただし、ディスプレイ広告に比べて費用は高めです。さまざまな課金方式があるため、費用感も異なってきます。
リワード広告
アフィリエイト広告のリンク先でアプリのインストールや商品購入により成果報酬が発生します。アプリのインストールで利用されることが多く、インストール数が増えることによりランキング上位が期待され、認知度の向上につながります。
ただし、過度に配信すると不快感を与え、低評価をつけられる可能性もあります。また動画を配信したい場合は、テキストや画像の制作コストが発生することに注意が必要です。
純広告
特定のwebメディアの広告枠を買い取ることで、一定の表示回数や期間を定めて掲載される広告です。画像を使うバナー広告、動画広告などさまざまな種類があり、希望の位置に必ず表示させることができます。幅広く認知してもらいたい場合に効果が期待できます。
表示回数に応じて費用が発生する場合と、期間内の表示は確約されますが買い切りの場合とあります。他の広告と比べ割高で、効果に関わらず費用が発生する点がデメリットです。
アドネットワーク広告・DSP
複数の媒体に対し、同時に出稿できる広告です。さまざまな媒体が広告配信ネットワークに登録されているため、媒体に同時出稿できるのが特徴です。そのため、あまり手間をかけずに効率よく広告を配信できます。
ただし、個別の出稿媒体を選べないため広告媒体と広告内容のミスマッチが起きる可能性や、自社のブランド・イメージとは合わない媒体に広告が配信されてしまうリスクがあります。
メール広告
メール本文が広告になっているものや、メールマガジンの一部に広告が埋め込まれているものなど、電子メールで送信される広告です。見込み客に配信されることから購買されやすい点や入稿から配信までの期間が短い点がメリットです。
ただし、ユーザー側でスパムに認定されてしまったり迷惑メールとして判定される場合は読まれないケースもあるため、それらの解除設定をしてもらう必要があります。
デジタル音声広告
音声広告の一種で、Spotify、Voicyやradikoに代表されるインターネットラジオ・音楽配信サービスへ出稿できる広告です。音だけの広告はユーザーがストレスを感じにくく、スキップされにくいことから情報をしっかり届けることができます。ただし、広告がユーザーのアクションにつながったかどうかの判断が難しいため、配信効果を実感しにくい点がデメリットです。広告を聴いたユーザー数に応じて費用が発生する課金方式となっています。
インフルエンサー広告
インフルエンサーとなる1人の消費者の視点を取り入れた広告で、共感力と訴求力の高いPRをすることで商品やブランドに対する認知、購買意欲の向上に期待ができます。さまざまなマーケティング施策を柔軟に取り入れることができる点がメリットですが、起用するインフルエンサーを選定することは容易ではありません。また、ステルスマーケティングによる炎上のリスクがあります。
記事広告・タイアップ広告
企業がメディアや媒体に広告費を払い、webサイトに掲載してもらうことで自社商品やサービスの宣伝となる広告です。体裁が記事になるため、伝えられる情報量が多い上に顧客にしっかり読んでもらいやすくなります。さらに広告らしさが薄れる点はメリットですが、掲載と成果が得られるまでに費用と時間がかかります。
動画広告・YouTube広告
動画のクリエイティブを用いた広告のことで、web上で目にする動画広告で代表的なYouTubeの冒頭や合間に流れるものが挙げられます。その他テレビCMや電車内に流れる動画も該当します。動画と音が利用できるため、ストーリーとともに商品・サービスの情報を届けられることからユーザーの印象に残りやすく、ブランド認知度の向上に効果的です。
クリエイティブの制作の作り分けもあり、最初に広告を始めるには少々ハードルが高いかもしれません。
SNS広告
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSに表示される広告で、ターゲットに合わせた広告配信が可能です。潜在顧客から顕在顧客まで幅広くアプローチでき、SNSプラットフォームが保持する豊富なユーザー情報を利用できるため、高い効果が見込めます。
ただし、ユーザーの目を引くようなクリエイティブ制作コストが発生する点と、SNSごとのユーザー層の選定を誤らないよう注意が必要です。
Web広告の費用相場
ここまで各種web広告のご紹介をさせていただきましたが、それぞれ費用は大きく異なります。ユーザーのアクションを獲得するごとに費用が発生する方式のため、一般的に固定の金額が定められているわけではなく、まずは自分で予算を設定する必要があります。
web広告に関するお悩みはアスタノットへ
それぞれのweb広告についてメリット・デメリットを14種類に分けて解説させていただきましたが、まずはweb広告の運用に関して相談したいという方もいらっしゃるかと思います。
その場合はweb広告会社「アスタノット」へご相談ください。
Google公式 ヘルプコミュニティにて「シルバー・プロダクト・エキスパート」を取得し、実績・技術力共にある代表取締役が、運用責任者として直接、お客様のサポートをいたします。
まとめ
本記事では、web広告の代表的な14種類の手法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。馴染みのある広告だけでなく、web広告にはさまざまな媒体が存在します。
ユーザーの属性次第では、向いている広告・向いてない広告が分かれるため、まずは目的を明確にし、最適な手法を選択しなくてはいけません。
もし、web広告に関して不安がある・相談したいという方がいればお気軽に「アスタノット」へご相談ください。