「BtoB広告って何?目的やBtoC広告との違いは?」と、BtoB広告について詳しく知りたいと思っている方に向けて、BtoB広告の種類や運用ポイントをご紹介します。
BtoB広告とは、企業が企業にターゲットを絞り商品の宣伝を実施することです。広告の種類(リスティング、ディスプレイ、リターゲティング広告など)や広告を効果的に運用するポイント、広告会社に運営を依頼する方法やメリットを紹介します。
目次
BtoB広告とは
BtoB広告とは「Business to Business」の略称で、企業が企業に対して商品やサービスの宣伝を行うことです。一般的に、広告というと企業が消費者(個人)に対して行うイメージがありますが、BtoB広告は企業が企業に対して商品購入をしてもらうように広告出稿を行います。ここでは消費者向けにも販売できる商品を企業に向けて販売・宣伝する場合について説明していきます。
企業間の取引は、企業と消費者よりも1回の商品販売数が多く、収益の安定化が見込めるでしょう。
BtoB広告の目的
以下のような目的がある場合、BtoB広告を行うことが多いです。
- 自社商品の認知度アップ
- 潜在層・顕在層にアプローチ
- 安定した収益を獲得
BtoB広告で成果が出た場合、消費者に商品を購入してもらうよりも1度に多くの商品を購入してもらえることが多く、安定した収益を獲得しやすいです。
加えて、その企業がさらに商品を宣伝・販売することで、自社商品の認知度アップが可能となります。
また、見込み客ともいわれる潜在層・顕在層など、幅広い顧客に商品を宣伝するなどのアプローチも可能です。
BtoB広告とBtoC広告の違い
BtoC広告は「Business to Customer」の略称で、企業が消費者(個人)に向けて商品の宣伝を行うことを指しており、企業が企業に向けて商品宣伝を行うBtoB広告とは広告ターゲットが異なります。
BtoBとBtoCで広告対象が異なるということは、契約相手も同じように異なるため、広告の内容やマーケティング戦略も変えなければなりません。
また、企業に商品購入をしてもらう場合、個人の消費者に購入してもらうときよりも1回の商品購入数が多い場合がほとんどです。
そのため、商品の単価も見直した方がよい場合が多く、同じ商品の宣伝でもBtoBなのかBtoCなのかによって広告の内容を変更した方が効率的でしょう。
BtoB広告を運用する前に知っておくべきこと
企業が企業に向けた広告を運用する際に、事前に知っておくと成果が出やすいポイントがあります。
- BtoB広告を出す目的を明確にする
- ターゲットを絞る
- 広告費は慎重に決定する
上記の3つのポイントを事前に押さえておくと、より広告の成果を出しやすくなります。
次は、BtoB広告を運用する前に知っておくべき3つのことを詳しく確認していきましょう。
BtoB広告を出す目的を明確にする
BtoB広告を出す場合、「なぜ広告対象が企業なのか」「消費者ではなく企業に対して商品を宣伝すべきか」など、目的や理由を明確にしてから広告作成や出稿を行いましょう。
商品の認知度を上げたい・まとめて商品を購入して欲しいなど、目的が消費者ではなく企業に商品を購入してもらうことの場合は、広告媒体を変えたほうが効果は出やすいです。
しかし、目的が「商品を企業に購入してもらうこと」ではない場合、BtoB広告を運用すべきではありません。
商品を消費者にも購入して欲しいのにBtoB広告を運用してしまうと、広告の費用対効果が低いなど、成果を感じられない結果になってしまいます。
マーケティングの目的や理由などを事前に考え、BtoB広告でよいのかどうかを確認しましょう。
ターゲットを絞る
BtoB広告を行う場合でも、BtoC広告と同様にターゲットを絞るターゲティング設定は必要不可欠です。
どんな企業に対してどのような広告を配信するのかを明確にすべく、以下のような項目でターゲットを絞り、ターゲティング設定を行いましょう。
- 業種の選定
- 企業の市場規模や範囲
- 本部の所在地にあわせた地域
- 営業時間にあわせた時間・曜日
- 商品購入を行う担当者のペルソナ
ターゲットを絞ることによって広告の費用対効果を上げられるため、広告にかかる費用が安く済み、成果を感じやすいでしょう。
広告費は慎重に決定する
企業に対して商品を販売する場合、消費者に対して販売するよりも商品単価を下げることが多いため、利益率と広告費の兼ね合いを確認した上で広告費は慎重に決定すべきです。
一度に多くの数を購入してもらえるため、利益率はあまり下がりませんが、企業と契約が成立しなければBtoB広告費用がかさむばかりで、費用対効果は悪くなってしまいます。
- 契約までの期間はどれくらいを想定するのか
- その間広告配信を行う場合いくらかかるのか
- 広告費にどの程度の費用がかけられるのか
上記のような内容を事前に計画し、広告費の決定を行いましょう。
BtoB向けのオンライン広告の種類
BtoB広告はオンライン広告とオフライン広告に分けられ、近年はwebを使用したオンライン広告を活用して、商品の宣伝をすることが多くあります。
まずはBtoB向けのオンライン広告について、どんな種類があるのかを確認していきましょう。
リスティング広告
リスティング広告は、ユーザーが検索サイトで特定のキーワードを検索した際に、検索結果画面上部に表示できる広告です。
検索連動型広告とも呼ばれており、自社商品にあわせて検索されそうなキーワードに対して広告出稿を行います。
この際、商品の購買意欲が高い顕在層が検索するようなキーワードに対して広告出稿を行うと、成果を感じやすく費用対効果が高くなります。
リスティング広告を企業向けに出稿する場合は、顕在層に加え、企業の担当者が検索しそうなキーワードに設定することが大切です。
ディスプレイ広告
webサイト内にテキスト×画像などで、広告バナーを表示させるのがディスプレイ広告です。
webサイトを訪れた人の興味を惹きやすい広告で、バナーにはテキストや画像だけでなく動画を活用することもできます。
リスティング広告とは異なり、webサイトに訪れたすべての人に広告を表示させられるため、顕在層以外にも潜在層の企業担当者など幅広い人に広告を表示できます。
リターゲティング広告
一度自社のwebサイトを訪れたことがある人に向けて広告を表示するのが、リターゲティング広告です。webサイト内でタグ設定を行い、Cookieの閲覧履歴を利用して広告を表示させるユーザーを絞ります。
一度自社サイトに訪れた人は、商品が気になっている・購入するか迷っている場合が多いです。そのため、広告を表示すると興味を持ってくれやすく、費用対効果が高くなりやすいです。
リターゲティング広告を介して自社サイトにユーザーが帰ってきた場合、企業担当者が商品購入をしやすいようなwebサイトにしておくと成果を上げやすいでしょう。
SNS広告
- LINE
- TikTok
上記のようなSNSを利用した広告もあり、ターゲットが利用していそうな媒体を選択することで、商品を顕在層・潜在層に向けて宣伝できます。SNS内で「おすすめ投稿」などのように関連記事を表示させたり、インフルエンサーに依頼してPRしてもらったりと、SNS広告といっても配信方法はさまざまです。
BtoB広告の場合は、商品のターゲットとなる企業が利用しているSNSを活用して広告配信するのがよいでしょう。SNSは年配の方よりも若者が多く利用している傾向にあります。そのため、若者向けの商品を宣伝したい場合SNS広告を利用するとより効果を感じられます。
記事広告
webサイトのブログ・コラム・ニュース記事などの下あたりに、関連記事として表示させられるのが記事広告です。
関連記事などと表示されている記事をクリックしなければ広告ページに飛ばないため、ユーザーを自然な形で誘導でき、商品に興味がある人を記事内に取り込むことができます。
BtoB広告として活用する場合は、企業担当者が閲覧しそうなサイトの広告枠を利用して、記事広告を出稿するとよいでしょう。
Google広告
Googleを介してさまざまなwebサイトに広告配信ができる方法で、サイト以外にも以下の媒体に出稿が可能です。
- YouTube
- ショッピング
- アプリ
上記のように、Googleが関連している媒体に広告を出稿することができ、ここからさらにリスティング広告やディスプレイ広告などの種類を選択することができます。
多くの媒体に広告出稿して企業担当者へアピールしたい場合は、Google広告から出稿することでたくさんの媒体からアプローチができるでしょう。
Yahoo!広告
Yahoo!広告もYahoo!を介してさまざまなサイトや媒体に広告配信ができる方法で、Google広告と同じようなイメージです。
Yahoo!広告を選択しても、リスティング広告やリターゲティング広告など、Yahoo!が提携しているサイト内で広告種類を選択することになります。
Yahoo!はGoogleに比べてユーザーの年齢層が高い傾向にあり、企業の役職者や担当者の目にも留まりやすく、BtoB広告に向いているといえるでしょう。
DSP広告
DSP広告とは「Demand-Side Platform広告」の略称であり、広告の種類というよりも、ツール(プラットフォーム)を活用した広告配信方法です。
さまざまな媒体のユーザーをリサーチし、広告を必要としているユーザーに対して、ベストなタイミングで広告表示を行えるでしょう。
業種ターゲティングができる・企業のデータベースと連携しているなど、プラットフォームによって広告設定内容が異なり、プラットフォームの選択の仕方によっては、広告配信をしたい企業や担当者に向けて多くの広告を配信できるなど、企業担当者に向けてピンポイントで広告を表示できます。
気になるプラットフォームがある場合は、BtoB広告として利用しやすいかを確認しましょう。
BtoB向けのオフライン広告の種類
続いてオフラインでのBtoB広告の種類をご紹介していきます。
オフラインとはwebを活用しない広告手法です。webを使わないアナログな方法で、昔からある広告配信の仕方ともいえます。
webを使わずとも広告を配信できるため、日常生活の中で自然と目にすることも多いでしょう。そんなオフライン広告の種類を順番にみていきましょう。
交通広告
公共交通機関などで目にするポスターやチラシを活用した広告方法です。
- 電車
- バス
- 地下鉄
- 新幹線
- 飛行機
上記のような交通機関を利用した際に目にする広告で、駅や乗り場に掲載されていることも少なくありません。
チラシやポスター、ステッカーや音声などで広告配信がされており、不特定多数の人に自社商品の宣伝ができます。
商品の認知度向上を行いたいと考えている場合は、企業担当者が活用しそうな通勤中継箇所、交通機関や場所を選び、広告配信を行いましょう。
タクシー広告
タクシーの車内外を利用して広告配信を行う方法のことで、タクシーを利用する人・タクシーを見かけた人に対して、広告の効果が期待できます。
- ドアにステッカーを貼る
- 車体を装飾する
- 車内にリーフレット・チラシを置く
- 車内で広告動画を流す
- レシートの一部に印字する
上記のような方法でタクシーの利用者やタクシーを見かけた人に商品の宣伝を行い、認知度向上や広告効果が期待できます。
タクシーは、多くのビジネスパーソンが利用する交通機関で、車内にいる間は広告を見る人が多いです。
役職者に対して直接アピールできる機会も多く、BtoB広告に向いている手法といえるでしょう。
新聞広告
新聞の下部などに商品情報や会社情報を掲載できるのが、新聞広告です。本誌の下部以外にも、記事文章と文章の間や新聞の1ページ全体を使った広告などがあり、新聞広告独自の「段」という単位で数え、1段分・5段分などの広告掲載ができます。
新聞は役職者が読んでいることが多く、広告も見てもらいやすいのが特徴です。
全国版や地方版、朝刊や夕刊など掲載する新聞も選択できるため、ターゲットが読みそうな新聞を選んで広告出稿を行いましょう。
業界紙
新聞の中でも専門的な業界分野のことを中心に掲載しているものを業界紙といい、業界紙に広告掲載することも可能です。業界紙は、経済のことが詳しく載っている経済紙や、産業について詳しく載っている産業紙などがあり、専門紙と呼ばれるものもあります。
業界紙を読む人はその業界に詳しくなりたい人・業界の情報を仕入れたい人のため、不特定多数の人に読まれる新聞よりもピンポイントなターゲット設定ができます。
BtoB広告を効果的に運用するポイント
BtoB広告にはさまざまな種類がありますが、どの広告を運用する際にも、あらかじめポイントを押さえておくとより効果的です。
BtoB広告を効果的に運用するポイントを4つ、順番にみていきましょう。
ペルソナを決める
商品を購入してくれるターゲットとなる人物設定、ペルソナを決めてターゲティングを行い、BtoB広告を出稿することが大切です。
BtoB広告の場合、ペルソナは企業担当者になるはずです。個人の消費者とは異なるため、どんな企業のどんな担当者なのか、お客様となる架空の人物設定を行いましょう。
その人が商品を購入する場合、どんな広告なら興味を持つか・主に使用する媒体は何かなどを細かく設定し、ペルソナにあわせたターゲティング設定を行うことが重要です。
カスタマージャーニーマップを作成する
ターゲットとなる人がどのように考えてどんなアクションを起こし、自社商品を購入するのか、商品購入までの一連の流れとなる「カスタマージャーニーマップ」を作成することも大切です。
例えば、企業に対して部品を販売したい場合、以下のカスタマージャーニーが考えられます。
- 部品が欲しいのはどんな企業担当者か
- 企業担当者はなぜ部品が欲しいのか
- 部品が欲しいと思った場合、どんな行動をするのか
- webで検索する場合、どんなキーワードで検索するのか
- 検索後はどんなサイトをチェックするのか
- 商品購入したい場合、どのようなサイトならスムーズに購入できるか
上記のようやカスタマージャーニーマップを作成する場合、ターゲットとなるペルソナに成り切って考えるとマップを作成しやすいです。カスタマージャーニーマップを作成してターゲットが商品購入を行うまでの流れを決めることで、それにあわせた広告の種類やターゲティング設定ができます。
自社の強みを再確認しておく
自社商品を宣伝する際には、他社とは異なる点・自社の強みを前面に出して商品をアピールすることが重要なため、自社の強みを再確認しておきましょう。
- 商品のよい点(メリット)
- 競合との違いは何か
- 自社だけのアピールポイント
上記のような点を再確認しておくことで、広告作成するときや出稿の際に他社との差を付けられます。
広告代理店を利用する
上記のようなポイントを押さえても、「なかなか効果が得られない」「運用し続けるのは難しい」「知識や時間の余裕がない」という場合は、広告代理店に依頼してみましょう。
消費者が相手のBtoC広告と企業相手のBtoB広告は、広告手法やマーケティング戦略が異なります。素人はもちろん、広告に対する知識があっても、BtoB広告ですぐに成果を上げるのは難易度が高いでしょう。
しかし、広告代理店は、BtoB広告に関するノウハウや実績がすでにあります。BtoB広告を運用するのは難しいという場合は、広告代理店を利用することも視野に入れてみましょう。
広告代理店を利用するメリット
「広告代理店を利用するのは費用がかかる」と思っている方は少なくありませんが、さまざまなメリットがあるのも事実です。
次は、BtoB広告を出稿する際に広告代理店を活用するメリットを詳しくご紹介していきます。
BtoBに向けた最適な広告配信が可能
BtoB広告は企業担当者向けに広告配信をしなければ成果を上げられませんが、広告代理店ならBtoBに向けた広告設定に詳しいため、最適な広告配信ができます。
BtoC広告とは異なり、ペルソナ設定や広告種類の選択が非常に重要となるため、プロの広告代理店を利用すれば、ターゲットが誤ってBtoCになっていたという事態にも陥りません。幅広い視野でのサービス提供が可能なため、より高い費用対効果を得られるでしょう。
広告結果を正しく検証できる
BtoB広告出稿後は検証が必須となります。企業担当者へ向けた広告として、効果が出ているかの確認をしなければなりませんが、プロの代理店であれば正確に検証してくれます。
BtoB広告の場合、広告の閲覧数やクリック数が多いかのチェックだけではなく、きちんと企業担当者に響いているかを確認しなければなりません。
広告結果を正しく検証できているか不安がある場合も、広告代理店に依頼すれば適切に検証することができます。
空いたリソースを別業務に充てられる
広告は出稿するだけではなくその後の管理業務にも多くの時間が必要ですが、代理店に運用も任せておけば、リソースに空きが出て別業務に充てられます。
効果測定には指標があり、CTR(クリック率)・CVR(コンバージョン率)・CPA(顧客獲得単価)などのチェックを行わなければなりません。「何を確認・比較してどの程度の数値であればよいのか」など、専門的な知識が必要なため、管理には多くの時間と手間が必要になります。
しかし、広告代理店は代行運用でデータを細分化して、わかりやすく管理してくれる場合が多いです。そのため、広告管理分の空いたリソースにより、広告内容をさらに充実させたり、獲得顧客に対してより満足度を上げられるよう対応できたりと、他の業務に時間を割けるようになります。
広告をさらによいものにすることで成果アップにもつながるため、広告代理店を利用するメリットは大いにあるといえるでしょう。
BtoB広告に関するお悩みはアスタノットへ
「BtoB広告を出したいけれどどの種類がよいかわからない」
「BtoB広告を出したいからサポートして欲しい」
上記のようなBtoB広告に関するお悩みをお持ちの方は、web広告代理店「アスタノット」へご相談ください。
アスタノットでは、プロからのさまざまなサポートを受けられます。
- 広告出稿のプロからのアドバイス
- BtoB広告の運用代行
- 広告のレポート作成・自動化
- アクセス内容の解析サービス
上記のようなサポートが受けられるため、BtoB広告で悩んでいる場合は、まずはアスタノットへ相談してみましょう。
まとめ
BtoB広告とは、企業が企業にターゲットを絞り商品の宣伝を実施することです。今回は広告の種類をオンライン・オフラインでわけ、紹介しました。企業担当者へのきちんとした広告配信や、出稿の管理などがとても重要になります。広告を効果的に運用するポイントや広告会社に運営を依頼する方法やメリットを自社ごとにうまく汲み取り、BtoB広告で大きな成果を上げられるよう対策していきましょう。