Facebook広告はターゲティング精度が高く、目的に合わせた広告が出せるといったメリットがたくさんあります。しかし、「出稿する際の手順が分からない」「設定方法が難しそう」という企業担当者も多く、広告運用に踏み出せない場合も少なくありません。
この記事では、そんなFacebook広告のやり方が分からないという方に向けて、手順や費用形態の違い、ターゲティング方法の種類などの基礎知識について解説します。出稿の際の注意点もご紹介しますので、Facebook広告を出稿しようと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
Facebook広告とは?
Facebook広告とは、FacebookやFacebookが連携するアプリやWebサイトを利用するユーザーに向けて広告配信を行う広告の種類です。
連携できるアプリやWebサイトは主に以下の4つです。
- Messenger
- Audience Network
上記のアプリやWebサイトを利用する方に広告配信ができ、そのなかでもAudience Networkは以下のようなさまざまなアプリと連携しています。
- モバゲー
- マンガワン
- GANMA!
- グノシー
- BuzzFeed
- C CHANNEL
- 東洋経済オンライン
- 食べログ
- Retty
- Simeji
- ジモティー
そのほかにも、さまざまなWebアプリと連携しており、ゲーム系やニュース系、グルメ系など、幅広いジャンルのアプリ利用ユーザーへ自社商品をアピールすることが可能です。
それぞれのSNSやアプリなどでは、ストーリーズやフィードに広告を表示でき、ユーザーが自然と目にする形で配信することができます。
また、画像だけでなく動画を使用した広告も配信可能であり、Facebook広告は目的に合わせてユーザーの印象に残る広告で商品をアピールでき、目的や目標達成を目指せます。
Facebook広告を出稿する前に抑えておくこと
Facebook広告を出稿する際は、あらかじめ知っておくとトラブルやアクシデントを防げるポイントがあります。
出稿の際に焦らないためにも、ここで3つのポイントをチェックして広告運用に備えておきましょう。
広告の指針「広告ポリシー」を確認する
Facebook広告にはさまざまな「広告ポリシー」があり、どれか1つでも反する内容となっていると広告出稿が行えません。
たとえば、以下のような内容は禁止コンテンツとされています。
- ダイエットを助長
- 成人向けのアダルトコンテンツ
- 人種・性別・宗教などの差別
- タバコ・タバコ関連
- 爆発物・武器・弾薬
- マルチ商法
- 人体・人体一部の売買や宣伝
- ワクチン反対運動
そのほかにもさまざまな広告ポリシーがあり、その都度更新されるため、広告出稿の際はこまめに確認しておきましょう。
また、制限コンテンツといってガイドラインの内容に沿っている場合は掲載が可能などの決まりがあります。そのため、広告クリエイティブを作成する前に、Facebook広告の指針を確認することが大切です。
入稿内容は「広告ガイド」に則って審査される
出稿する際に広告クリエイティブを登録しますが、次のような項目にはそれぞれ広告種類によって推奨サイズや上限があります。
- 画像ファイルの寸法
- 画像枚数
- データの容量
- 最大文字数
Facebook広告でのアスペクト比は広告種類によって「1:1」「4:5」「16:9」「9:16」「1.91:1」が推奨されており、推奨画像解像度もそれぞれ異なります。
これらのようなアスペクト比でないと、広告クリエイティブが上手く表示されないため、広告種類の推奨サイズや解像度はあらかじめ確認しておきましょう。
また、フィードやストーリーズに配信する広告の文字数は、見出しが40字以内でメインテキストが125字以内といった規定があり、規定以上の文字数の場合は審査が通らず出稿ができません。そのため、広告ガイドをしっかりと確認して推奨されたサイズや文字数制限を遵守した出稿を行いましょう。
Facebookビジネスマネージャのアカウントを開設する
Facebook広告を運用する際には、ビジネスマネージャのアカウント開設が必要です。
企業のアカウントを作成したら、設定からビジネスマネージャの作成を行いましょう。
Facebookビジネスマネージャは、FacebookやInstagramなど、複数のアカウントでの広告出稿管理を行えるツールで、登録することで広告アカウントの共有や管理をより簡単にできます。
また、支払い情報を登録することも可能で、一度登録しておけば複数の媒体で広告出稿を行いたい場合に再度登録する必要がありません。
広告運用の際の管理にかかる手間を軽減できるため、まずはFacebookビジネスマネージャアカウントの開設を進めておきましょう。
Facebook広告やり方の手順
Facebook広告をはじめる際には、4段階の設定があります。
4つの手順を把握しておくことでスムーズに出稿設定が進められるようになるため、ここで紹介するFacebook広告出稿の手順をチェックしておきましょう。
「広告アカウント」を作ろう
まずは広告アカウントの作成です。
Facebookのアカウント設定からビジネスマネージャの作成を行い、広告用のアカウント準備を行いましょう。
ここで広告記事を投稿するFacebookページの作成を行っておくことで、出稿の際にかかるページ作成の手間を軽減できます。
支払い情報の登録も進められ、クレジットカードやデビットカード、銀行口座、PayPal情報など、広告費を支払う際に活用する情報登録を行っておきましょう。
「キャンペーン」を設定しよう
次は広告の目的・予算の上限などを決めるキャンペーンの設定です。
Facebook広告では目的に応じて広告配信ができるため、ここで「認知・検討・コンバージョン」から広告を出す目的を選択します。
目的はさらに細かく分類されているなかから選んでいくため、出稿を行う前に広告を出す目的を必ず決めておきましょう。
広告予算の上限もここで決められるため、広告費用が多くかかりすぎないように上限額の入力は忘れないようにしてください。
「広告セット」を設定しよう
キャンペーン設定を行ったら、ターゲットや配信場所を設定する広告セットを行います。
Facebook広告のメリットでもある精度の高いターゲティング設定を適切に行うためには、「オーディエンス」部分からしっかりとターゲットに合った設定を選択しましょう。
また、配信場所も選択でき、手動か自動のどちらかから選べます。
自動設定にすると広告に合った適切な配信場所をFacebook側が提案してくれるため、自動設定を選ぶのがおすすめです。
掲載期間や1日にかけられる広告費の登録もここで行うため、広告を配信する期間や1日単位の予算などはあらかじめ決めておきましょう。
「広告」を設定しよう
次に「アイデンティティ」部分から、画像・動画・スライドショーなどのクリエイティブ登録を行う広告を設定していきます。
広告クリエイティブはここで使用するため、出稿登録までに完成させておきましょう。
また、広告テキストも入力していきます。
メインテキストや見出しなどの文字数上限を超えないように登録してください。
広告をクリックした先の遷移先URLも入力が必要なため、ランディングページの作成はここまでに終わらせておきましょう。
最後にプレビューでしっかりと修正点がないかを確認したら、実行ボタンで出稿登録の完了です。
Facebook広告を出す目的
Facebook広告は出稿の際に6種類のなかから目的を選びます。
それぞれ細かい目的内容に分かれており、選択できる種類は表の通りです。
目的種類 | 目的とする内容 |
認知度 | 自社商品の認知度アップ・ブランディングの確立したい |
トラフィック | 自社サイトへユーザーを誘導したい |
エンゲージメント | いいねやコメントなどのエンゲージメント数を増やしたい |
リード | 新規顧客の情報を獲得したい |
アプリの宣伝 | アプリインストール・継続的な利用をしてほしい |
売上 | 商品・サービスを購入してほしい |
それぞれ目的とする内容を経て、新規顧客・ユーザーの獲得につなげるために、目的種類を選択していきます。
目的の種類については、さらに深掘りして確認していきましょう。
認知度の向上
認知度の向上やブランディングの確立を行いたい場合には、Facebook広告の目的選択の際に「認知度」を選びましょう。
認知度を選択すると、広告をしっかりと見てくれるような興味を持ちやすいユーザーや年齢を問わない幅広い世代など、自社商品を多くのユーザーが認知するように配信されます。
認知度の向上は、画像の閲覧数・動画の再生回数増加などを期待でき、ブランディングの確立やコンバージョンの獲得につながりやすいです。
そのため、「まだ企業や商品が有名ではない」「まずは自社に興味を持ってほしい」などの場合に向いています。
トラフィックの増加
自社サイトへユーザーを誘導したい場合は、「トラフィック」を選択しましょう。
トラフィックはイベントやキャンペーンを行っている際におすすめの目的種類で、ユーザーを自社サイトやアプリに誘導してコンバージョンへつなげます。
そのため、トラフィックを選択する場合はユーザーがサイトやアプリから離脱しないような広告作成を行うことが大切です。
エンゲージメントの向上
いいねやコメントなどのエンゲージメント数を増やしたい場合は、「エンゲージメント」を選ぶことでユーザーからのアクション数の向上が見込めます。
いいねやコメント、シェア、メッセージなどのユーザーからのアクションは、自社に興味を持っている人が行う傾向があります。
そのため、エンゲージメントが見込めるような「自社に興味関心を持ちやすいユーザー」を中心に広告配信が行われ、コンバージョンへつなげられるでしょう。
リードの獲得
新規顧客の情報を獲得したい場合は、「リード」を選びましょう。
リードを選択すると、メッセージのやり取りや電話番号の登録などを行うことに抵抗があまりないユーザーに向けて、広告配信が行われます。
そのため、名前や電話番号などの連絡先などを獲得しやすく、直接訴求を経てコンバージョンへつなげやすいです。
アプリの宣伝
ユーザーにアプリのインストールやアプリ内での課金などを行ってもらいたい場合に選択するのが「アプリ」です。
アプリの宣伝は幅広い世代の潜在層に行われますが、よりインストール数を向上させるために、自社アプリに関連する情報に興味がある人に対して広告配信が行われます。
目的や目標にアプリが関係している場合は、「アプリ」を選択すると良いでしょう。
売上の増加
商品・サービスを購入してほしい場合は「売上」を選択することで、コンバージョンの増加を期待できます。
ほかの目的を選択してもコンバージョンへつなげることは可能ですが、より売上の成果をあげたい場合は、「売上」を選ぶことで購入経験がある人やカートへ追加などのアクションを行ったことがある人に向けて広告配信が行われます。
そのため、ユーザーから購入へのアクションを得やすく、結果コンバージョン獲得の可能性が高まるでしょう。
Facebook広告のターゲティング方法
ターゲティング設定もFacebook広告の出稿登録の際に行います。目的に合わせた適切なターゲティング方法を選択することで、より広告の効果を感じられ成果につなげられるでしょう。Facebook広告のターゲティングは主に3種類から設定できます。
以下で、それぞれ詳しく解説します。
コアオーディエンス
ユーザーのプロフィール情報などを活用して広告を届けるのがコアオーディエンスです。
- 年齢・性別・言語などの「基本情報」
- 国・都道府県・市区町村・郵便番号などの「地域情報」
- 興味関心・ライフスタイルなどの「詳細ターゲット情報」
- Facebook内でユーザーが起こしたアクションをもとにした「つながり情報」
Facebook内に登録されてるユーザー情報を活用して、上記のようなカテゴリのなかからターゲティング設定を行います。
ターゲットをピンポイントに設定していくことで、より限定したユーザーへ広告配信ができ、精度の高いターゲティングが可能となります。
カスタムオーディエンス
自社が把握している顧客の情報をFacebook広告に登録すると、Facebook側が最適な配信先を選定してくれるのがカスタムオーディエンスです。
名前や電話番号などの顧客情報を登録すると、Facebookに登録されているユーザーとマッチする情報はないかなどをFacebook側がサーチしてくれます。
その際、ユーザーの行動履歴やアクション履歴も考慮して広告配信されるため、よりコンバージョンが見込める顧客へのアプローチが可能です。
また、ターゲットの除外設定も実施でき、一度自社商品を購入したことがある人は配信を除くなどの設定も行えます。
類似オーディエンス
自社商品を購入したことがあるユーザーに似ている基本情報・行動履歴がある人に向けて、広告配信を行うのが類似オーディエンスです。
類似オーディエンスは、自社商品やサービスの購入履歴がある顧客情報をFacebook広告に登録すると、類似したユーザーを探して広告配信が行えます。
実際に購入した人に似ている基本情報・行動履歴を持っているユーザーは、自社商品に興味関心を持つ場合が多いため、コンバージョンへつなげやすいでしょう。
Facebook広告の費用
Facebook広告の費用形態は、「インプレッション課金」「クリック課金」の2種類となっています。
ここでは、それぞれの特徴やインプレッション単価・クリック単価の費用相場を確認していきましょう。
インプレッション課金
ユーザーが広告を閲覧すると広告費が発生するのが、インプレッション課金制です。Facebook広告の場合、ユーザーに1,000回表示させるごとに100円〜500円ほどかかり、クリックやコンバージョンがなくても閲覧のみで課金されていきます。
そのため、できるだけユーザーに広告をクリックしてもらってコンバージョンにつなげられるよう、ユーザーの印象に残る魅力的な広告クリエイティブの作成をすることが大切です。
また、クリックやコンバージョンが見込めるターゲットに絞り込んで広告配信することも、費用対効果を高める方法といえます。
クリック課金
クリック課金は、Facebook広告では「リンククリック課金」といわれており、広告をユーザーがクリックすると広告費が追加されていきます。
Facebook広告での費用相場は1クリック100円〜250円ほどですが、広告種類によっては相場よりも高くなる場合があります。
このクリック単価はオークション形式で決められるため、広告商品の競合が多いほど単価が高くなり、たくさんの広告費がかかることになるでしょう。
そのため、広告予算内で成果をあげられるようにターゲットを絞って広告配信し、赤字運用にならないようにコンバージョンへつなげることが重要です。
Facebook広告を出稿する際の注意点
Facebook広告を出稿・運用する際には、次のような注意点を必ず押さえておきましょう。
注意点を把握して広告内容をチェックすることで、広告運用に無駄な費用をかけずに効果のある広告出稿が行えるようになります。
リンク切れ(デッドリンク)になっていないか確認する
出稿を行う際には、広告をクリックした先のランディングページや購入につながるページがリンク切れを起こしていないかを確認しましょう。
リンク切れはユーザーの行動や気持ちを阻害することが多いため、コンバージョンにつながらないだけでなく、自社へのマイナスイメージがついてしまう可能性があります。
そのため、広告出稿する際はURLの確認を入力時・入力後に行うなど、数回に分けて行うと良いでしょう。
審査に落ちていないか確認する
広告は出稿登録を行うだけではユーザーへ配信されず、Facebook側の審査を通過しなければなりません。
そのため、出稿登録を行ったのになかなか広告効果を感じられないという場合は、審査に落ちていないかを確認してみましょう。
Facebook広告の審査には1日ほどかかり、広告内容によってはさらに時間がかかる場合もあります。
3日ほど経っても広告配信がされない場合は審査に落ちているかもしれません。
その際は、一度広告ポリシーや広告ガイドを見直し、再度出稿登録を行いましょう。
ターゲット層を間違えていないか確認する
Facebook広告のターゲティングは精度が高いため、出稿を行うと効果を感じやすく、閲覧数やクリック数が向上する場合がほとんどです。
それなのになかなか効果を感じられないという場合は、広告配信を行うターゲット層や目的選択を間違えているかもしれません。
一度ターゲットやペルソナを見直し、出稿登録したターゲティング設定に問題はないかを確認してみましょう。
また、Facebook広告では目的選択も行うため、マーケティング戦略として立てた目的と異なる項目を選択していると、あまり広告成果が出ない可能性があります。
「広告の効果があまりない」や「成果につながっていない」という場合は、出稿の設定を改めてチェックしてみてください。
配信結果は定期的に点検する
広告は出稿するだけでなく、配信した結果を確認する効果測定を定期的に行うことが大切です。
- クリック数・コンバージョン数の比較
- ユーザーのサイト内での行動
- ユーザのサイト離脱率
これらを1日・3日・1週間ごとなどで確認することで、どこに問題があるのかを把握できます。
アクセス数が少なければクリエイティブやターゲティングに問題がある可能性が高く、ユーザーのサイト離脱率が高ければ自社サイトのページ構成に問題がある可能性が高いでしょう。
そのため、無駄な広告費をかける時間を減らすためにも、広告の配信結果は短期間で定期的に行うことがおすすめです。
改善点を把握して適切に対応することで、広告効果の持続や向上が期待できます。
Facebook広告検討の際はアスタノットへご相談ください
Facebook広告は、やり方を把握しておけば手軽に出稿が行えます。しかし、広告ポリシーやガイドラインに反しないクリエイティブ作成や効果の出るターゲティングをしなければ、審査に通らなかったり赤字になったりと広告運用トラブルが起きる可能性も否めません。
「Facebook広告を運用して成功させたい」と考えている場合は、アスタノットへご相談ください。アスタノットはFacebook広告を得意とする広告代理店で、知識豊富なプロが担当して広告の成果を最大限に出せるように出稿・運用を行っています。
Facebook広告のやり方が分からずに悩んでいる企業担当者のお悩み相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
Facebook広告のやり方をあらかじめ知っておくことで、スムーズな広告出稿が行えます。
出稿前に抑えておきたいポイントや課金形式、ターゲティング方法の違いなどを知り、たくさんの効果が得られるFacebook広告の運用を行いましょう。
Facebook広告のやり方が分からないという場合は、ぜひアスタノットにご連絡ください。